<中の人通信(17)>

今から〇十年前の4月、僕は中学1年生。生まれて初めて受ける英語の授業にわくわくしていました。

僕らって、欧米への憧れを強く持っていた最後の世代だと思うんですよね。何言ってるか全然わからなくてもマイケルやマドンナのカッコよさに痺れ、「ウィアーザワー(ルド)!」と歌い、ロス五輪に熱狂し。日本の外からやってくるものは何でもカッコよかった。だから、英語にも憧れたんです。

好きこそものの上手なれ。始まる前から「英語やりたい!」と鼻息荒かった僕は、be動詞/一般動詞の区別も、3単元のSも問題なく突破し、「あいつは英語出来る!」と噂されるようになり、段々天狗になっていきました。

ところがどっこい。程なくしてアメリカからの刺客、帰国子女のSさんが転校してきましてね。それはもう、めくるめく美しい発音。舌なんてまっきまき。僕の純国産カタカナ発音(当時)とはレベルが違う。勝負にすらなりません。あっという間に英語できるマンの称号はSさんものに。

今にして思うと幼くて恥ずかしいのですが、当時はちょっと(そこそこ)悔しくてね。でも悔しそうな顔してると思われるのはもっと悔しいので『全然気にしてないです』みたいな顔を一生懸命取り繕ってました。ああ恥ずかしい恥ずかしい。

あれからずいぶん時間がたちました。まさかおじさんになった今、英語の仕事に就くことになるとは。多分、発音は今は問題なくできるようになりましたけど(多分ね)、今でもあの日、Sさんに完敗したことは記憶に残っています。まぁあれがあったからこそ頑張れたのかもしれませんね。知らないけど。

それではまた。